インターネット上に広がる仮想空間いわゆるメタバースが熱を帯びています。ひとたびイベントが開催されれば会場は多くの参加者で賑わうなど、多くの企業が、その集客力に目を付け参入をはじめています。
輪投げや射的といった「日本の祭り」が表現されたメタバースの空間。このイベントは大手印刷企業の凸版印刷が日本の文化を海外に発信する目的で今年、初めて開催されました。作成されたCG空間は凸版印刷が培ってきた精細な画像のデータ処理技術や形状を正確にデジタル化する技術が使われています。担当者は今後のメタバース市場に期待を寄せます。
凸版印刷:「そこの市場ってすごく馬鹿でかいものなってきています」「(メタバースは)CGで作られた空間になりますとこのCGも1つの絵を書くのと一緒で」「こういった技術っていうところの作業技術ってのは我々も長年やってきておりますので」「そういったところで強みが出せるんじゃないかなと思っている」
このイベントは1か月ほどで約5000人が参加し、凸版印刷は今後も規模を拡大して続けていきたいとしています。
今年7月に秋葉原で開催された世界最大級のメタバースイベント…ここにも多くの人が訪れていました。
「メロンソーダお願いします。」仮想空間上の店員「はい、メロンソーダですね」すると・・・「本当に目の前に出てきました。すごく立体的で、甘い匂いもします。」
イベントには名産品をPRしようと自治体も参加し、メタバースならではの集客力に期待したいと話していました。
「市の認知度を高めていこう、シティープロモーションということで、その一環としてメタバースという新しい技術を使って自治体としてもPRしていきたい」
このイベントは2日間で約4万人が来場、主催者の予想の4倍という大盛況となりました。なぜ今、メタバース市場が勢いを増しているのでしょうかメタバースを開発し企業のコンサルティングを行うメタバース総研は…
「背景にある変化ていうのが以前からの技術進化ていう所とコロナでの巣ごもり需要が重なってメタバースの活用が非常に進んだかなと考えております。」
総務省によりますと、メタバースの世界市場は2021年には388億ドル、日本円で4兆2540億円だったものが、2030年には6788億ドル、78兆8705億円まで拡大すると予想されているということです。世界的に熱を帯びるメタバース市場・・この流れを商機と捉え事業の参入を早めた企業もあります。
「コロナウィルスの影響で人々の生活がかなり大きく変わってもっと早くアプリのサービスを出してお客様に活用していただいた方がいいというふうに考えて」「開発をかなりギュッと狭めた」
大手百貨店の三越伊勢丹は「コロナ禍」というメタバース市場への追い風を受けながら急ピッチで開発を進め一昨年、アプリをリリースしました。
「商品に近づけると、赤いマークが出てきますのでクリックすると実際に購入することができます」
メタバース空間でありながら、実際の店員もアバターとして登場するなど、実際の店舗で買い物する時と同じ感覚で商品を購入することができます。
「ファッションの未来を考えたときにも、メタバースにすごく可能性を感じてデジタルの良さそれはどこからでもアクセスができて、24時間お買い物ができたりすごくポテンシャルを感じている」
コロナ禍と技術の進歩が相まって、急速なスピードで広がりをみせるメタバース市場、今後のさらなる進化に注目です。
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